平成30年度税制改正により、所得拡大税制の改組がされ、一定要件のもと、給与等支給増加額の15%の
税額控除(従前は10%)が適用できる制度となりました。
さらに、教育訓練費増加要件を満たすことにより、中小企業等では10%、大企業では5%の上乗せとなります。
(ただし、当期法人税額の20%が限度となります。)
詳細は下記となりますが、やはり内容は少々分かりづらいと思います。
当事務所の顧問先様に関しましては、決算等の際に、しっかりとご説明させて頂きますのでご安心ください。
ただし、教育訓練費については、税額控除の上乗せの重要ポイントとなりますので、少しだけ意識して頂け
れば幸いです。
【適用年度】
青色申告法人が、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。
【税額控除額】
(雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)×15%
※上乗せが適用された場合、中小企業:25%、大企業:20%となります。
※当期法人税額の20%が限度となります。
【適用要件】
1、中小企業
①税額控除15%
・雇用者給与等支給額>比較雇用者給与等支給額
・継続雇用者の平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加
②10%の上乗せ措置
・継続雇用者の平均給与等支給額が前年度比2.5%以上増加
・教育訓練費の額が、前期の教育訓練費の額に対し10%以上増加した場合
又は
中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、同計画に従って経営力向上が確実に行われたもの
と証明がされた場合
2、大企業
①税額控除15%
・雇用者給与等支給額>比較雇用者給与等支給額
・継続雇用者の平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加
・国内投資設備額≧当期償却費総額の90%
②5%の上乗せ措置
・教育訓練費の額が、前期の教育訓練費の額に対し20%以上増加した場合
※地方税である、外形標準課税では、教育訓練費の上乗せ措置が設けられていない為、注意が必要です。
また、赤字法人であっても、付加価値額から一定の控除が認められます。
【教育訓練費のポイント】
①教育訓練費とは、法人がその国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ,又は向上させるために支出
する」一定の費用をいい,具体的には,法人がその国内雇用者に対して教育訓練等を自ら行う場合の費用(外
部講師謝金等,外部施設使用料等),研修委託費,外部研修参加費が該当します。
つまり、役員に対する教育訓練費は含まれませんのでご注意ください。
②教育訓練費は、一覧にし、明細書の記載事項の詳細を明らかにする必要があります。
様式は自由ですが、下記の記載事項等が必要と考えられます。
”教育訓練等の実施期間、実施内容、対象者等、支払証明(領収書等)”